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アヒルの子のmingoのレビュー・感想・評価

アヒルの子(2005年製作の映画)
4.0
タイトルは醜いアヒルの子とも掛かってるんだけど、アヒルが好きだけど自分は嫌い、アヒルという偶像物なら愛せるから、という意図が割とこの映画すべてを表していると言っても過言ではない。
本作を観る際おすすめしたいのは良し悪しを置いといて、映像として非常に観る価値のあるドキュメンタリーになっているのは間違いない。
20歳前後の多感な時期に人生における迷いや悩みを経験したことのあるひとには突き刺さる一本でもあるのだが、小野さやかという1人の女性がじぶんの人生を振り返るという行為は鑑賞者に自ずとフィードバックできるから、泣いて笑って怒って感動してなかなかエネルギーがいる作品にもかかわらず、長い旅路を終えたような実感があって、観終わったあとの多幸感はなかなかなもの。
両親に「愛されていない」と傷を負った5歳、幼い頃に兄に性的悪戯を受けた10歳、結局人の痛みはその人自身にしかわからないけど、その根源を追うことで、ひとは成長できるし気づけることって本当に大事。傑作「ショートターム」が好きなひとにこそ観て欲しいドキュメンタリーの傑作。あと上映は明日一回のみ。
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