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怪盗グルーの月泥棒 3Dのnaoズfirmのレビュー・感想・評価

怪盗グルーの月泥棒 3D(2010年製作の映画)
3.5

怪盗グルーシリーズ第1作目🎬

ストーリーは悪名高き主人公が三姉妹を預かることをきっかけに本当の幸せを見つける過程を描いた作品でした。グルーの吹き替え担当笑福亭鶴瓶がどはまり役です。あのガラガラ声と関西弁はたまらないです。グルーの人としての魅力も見所です!見た目はスキンヘッドにトンガリ鼻が特徴的な、人相が悪いおっさん。ガタイはいいが足めっちゃ細いw折れそう、、しましまの長いマフラーとスマイリー柄のパンツを愛用しています。冒頭では泣いているお子様をイジめるなど子供嫌いだったが、三姉妹が歩いてバレエ教室に行くと言い出したときは何だかんだで送ってあげたりと、根っからの悪人でない所。当初は用済みとなった娘たちを遊園地に置き去りにしようとしていたが、不正を働いた射的ゲームの店員に本物の銃で対抗したり、その後は娘たちと一緒に遊園地をエンジョイしまくるなど、次第に娘たちに情が湧くようになる。いい人やん〜あと、大量にいるミニオンたちを瞬時に見分ける能力は凄すぎる。

グルーのミニオンにたいする愛情の深さも見所の1つです。今世紀最大の悪党と口ではいうが、たくさんいるミニオンたちの名前を全部把握し、頭ぽんぽんしたりとミニオンたちを大切にしているグルーさん。そしてそんなグルーが大好きなミニオンたちが素直に可愛い!特に好きなのは終盤のキッス待ちの行列シーン。あれだけいるミニオンたちにちゃんと1匹ずつチューしてあげるところも、微妙にする箇所が違うところも、もう一回並んじゃうミニオンにすぐに気付いちゃうところも、もう全てが素敵すぎます。

他にも、山寺宏一吹き替え担当のベクター、ネファリオ博士、マーゴ・イディス・アグネスの三姉妹など魅力的で個性的なキャラクターが沢山登場します。

今作のテーマは親と子の物語です。タイトル通り今世紀最大の悪党を目指しているとは思えない優しさを持つグルーだが、そもそも彼の本当の目標は悪事そのものではなく『どデカいことを成し遂げて、母親に自慢に思ってもらうこと』。幼いころ何をやっても褒めてもらえなかったグルー。大人になった今もママから認めて貰おうと頑張っているその姿は、ロケットを作って母親に褒めてもらおうとしてた子供のころのままです。そして両親からの愛情を渇望する姉妹たちと同じであり、今作はそんなグルーが親になる成長物語ともいえます。また、登場するもう一つの親子としてパーキンスとベクターがいます。悪役の立ち位置なので深くは掘り下げられないが、作中で「ビクター」という名前から自分で「ベクター」とつけたのも、権力も金もある父親の庇護から抜け出そうとする彼なりのあがきなのかもしれません。しかしベクターとグルーの大きな違いは、仲間の有無でもあります。人はひとりでは成長できない。とても考えさせられた映画でした。
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