安堵霊タラコフスキー

簪(かんざし)の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

簪(かんざし)(1941年製作の映画)
4.8
冒頭の芸者の行進を捉えたロケ撮影が、ネオレアリズモの先駆け的な自然主義を醸し出していてまず驚く。

その後もネオレアリズモ的自然主義だけでなく横移動撮影とか縦の構図が効いた画面とか、実に心地良い映像が続いて舌を巻く。

フィルムの欠損があるのは残念だが、実に構図も良く展開も小気味良く、やはり清水宏ってのは最近まで敬遠していたのが惜しいと思えるくらい優れた映像を撮る監督で感嘆至極だ。

それにしても悪い人じゃないとはいえ口煩い人間ってのは、昔から多かれ少なかれいたもんだなと甚だ呆れてしまう。(見ているとき何度「うぜえ!」と呟いたことか)