たむランボー怒りの脱出

簪(かんざし)のたむランボー怒りの脱出のレビュー・感想・評価

簪(かんざし)(1941年製作の映画)
4.0
簪が足に刺さった男の役にまだ若いころの笠智衆。「いやあ、このくらい軽いケガですよ」といつもの調子で言うけど、歩き方が全然大丈夫じゃない歩き方で、案の定次の日には松葉杖ついてるし。
松葉杖 (しっかりと2本 )使ってたらそれはもう大丈夫じゃないし、それに拍車をかけるようにワンパクな子供が「おじちゃん頑張れ、おじちゃん頑張れ」とリハビリを強要してくる地獄のような日々が、不気味なくらい呑気に描写されている。笠智衆は相変わらずあの仏みたいな顔で対応してるし。
一番ヤバいのは子供がリハビリと称して笠智衆に川の飛び石を渡らせるシーン。一度失敗しただけで普通に死ぬくらい流れ早かった。ここも呑気にやり過ごす笠智衆が本当に凄い。子供がケガ人で遊んでる。笠智衆もこれ以上仏の顔してたら命が危ないし。ここが清水宏演出の怖いところなんだと最近分かってきた。

清水映画における子供と障害者の写し取り方の不気味さはかなり興味深い。