八木

スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃の八木のレビュー・感想・評価

3.5
 最新作に向けて予習(140分超えは有罪)。
 意外といけた、って書くとルーカス監督作のハードルがどんだけ下がってるのかという感じですな。まあ、EP1のわりと根っこの方の映画的な魅力の薄さに対して「おそらく大多数は受け入れがたい主人公」が大いなる欠陥の今作は、逆に言えばそこさえ乗り越えたらオッケーになってたと思う。
 この主人公がひどい人間になっていくのはEP5でネタバレしているわけなんですけども、それにしたって派手にやったなあと思います。最後まで見て、「無関係な人虐殺のくだり、全く今作(ひいてはシリーズとして)お咎めなしなんだ…」って流石に思った。もっといえば、愛がご法度云々のくだりにもお話としてペナルティなかったし、ちょっとお幸せに迎えているエンディングをみて、ほぼ説明もなく存在感も薄い殺された悪役を哀れに思ってました。自動的にアミダラも自分勝手な好感度の低い女になりますわね。さすがにこんだけアナキンの好感度下げたら、この映画のラストで黒い仮面被るまではいかなくても、ライトセーバーの感じ変わるとか示唆するんかなと思ったらそれも無かったからな。
 でも多分、意図的なんじゃないかなあ、とも思うんですよ。アミダラが船から放り出されたところで、アナキンがえらいいきり立って「助けるオラアアアア」ってオビ=ワンにヤカラかましてるところ、結論からいえば無傷どころか起き上がって即戦闘に再参加してて、よりアナキンの底浅さを強調してる気がした。『そうなんじゃないか』と思ってからは、好感度が地に落ちたひどい主人公に、SWサーガのつながりを知る好奇心への刺激と、いつものガジェット(丸い宇宙船が落ちるところとてもいい)、派手な戦争・チャンバラシーンで素直に楽しめる時間が多かった。あと2本頑張れる気がします。
八木

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