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スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃のymdのレビュー・感想・評価

2.7
地道に鑑賞を重ねてようやく5作目のEP2。

やはりSWは自分には合っていないのだろうかと不安になってしまうほどにハマれない。

前作から約10年後を描いているということで基本的には前作のキャラクターが続投していて、設定も含めて前作と次作の間を補完する物語としての性質が強い。
要するに今作だけで楽しむ類の映画ではない。

これまでで最も恋愛色が強くなっており、アナキン・スカイウォーカーの行動はほぼすべて色恋沙汰を起点に決定されているほど。
若さゆえの過信と母親との別離ゆえの苦悩なども一応は描かれているけれど、あくまでもパドメへのフラジャイルな慕情が原動力になっている。
それを瑞々しい溌剌さと捉えられれば今作は良作だろうけど、個人的にはハマれなかった。

言い方は悪いかもしれないけど、アナキンという青年になにひとつ惹かれないというか。彼に一向に好意を抱けず、だからこそ見ていて白けてしまった。

未熟な青年が苦難を乗り越えて成長していく、というシリーズを通して繰り返し描かれてきたテーマを踏襲しているのには違いないのだけど、旧三部作のルークには愛嬌と愚直さがあったし、前作のオビ=ワンには師匠への尊敬と友情からなる純粋さが眩しかった。

でも今作のアナキンは過剰な過信と、色恋に溺れるがゆえの暴走が痛々しいし、何よりもそれを自覚しない態度こそが目について仕方ないのである。

誰もが知るところなのでネタバレもくそもないが、こうした未熟さ・愚かさが後のダースベイダー誕生へつながっていく、というシークエンスだろうし、狙ってのことなのだろうけど。

結局は次作あってこその今作、ということなので今作だけで言うと無駄に長いし、これまでで最も苦しい鑑賞時間であった。

たぶん、初めてこれを観るには年を取りすぎたのだろうな。
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