下手そうなラッパーの予想外のスキルや、ラップバトルからのアンサンブルなどのラップシーンは抜群に良いのだが、如何せんリアルさに欠けるドラマパートに面白味が足りない。シリーズ第3作。
アンダーグラウンドの世界をカッコ良く描かないことは良いが、様々な世界での下働きや搾取も、主役の不器用というか頭の悪さが目に付く。自堕落的な転落劇も、転落するほどの地位にいないし。強度あるシーンに感心するが、シーンとシーンの繋ぎが荒く、情念が散漫することも。撮りたいことは分かるが、単体作品としてはラップでのし上がる所以や、伝えたいことが全く見えてこないのも問題では。