「バニシング・ポイント」(1971年)のリチャードCサラフィアン監督による1973年の作品。
舞台はアメリカのケンタッキーとウエスト・ヴァージニアの州境の山深い片田舎、隣り合うフェザー家とガッシャル家との間で土地をめぐる小さな諍いが起こり、それがもとで互いに無残な殺し合いへとエスカレートしてゆく…
それぞれの家長を演じるのはロッド・スタイガーとロバート・ライアン。
貧しく父権的な生活の中で育った若者たちが、外の世界に出てゆくこともできず、その歪みが不幸に繋がってゆく…
町山智浩氏の「トラウマ映画館」に取り上げられるほど陰惨度は高いが、閉塞した状況下での若者たちのやりきれなさ、せつなさ加減は先日観たアルドリッチの「傷だらけの挽歌」に通じるところもあると思う。
なお、タイトルになっている「ロリ・マドンナ」はいちおう登場するがストーリーにはほとんど関係がない。