非の打ち所がなさすぎませんか?
下品な言葉遣いの映画は嫌いなのですが、もう全くそれが気にならないくらい。
どのシーンが、ではなくて映画全体で感情を蝕まれました。
ほほ笑みデブくんがとても可愛いんですよ。ドーナツ似合いすぎて… 丁寧に教えてあげるジョーカーも素敵でした。好きになっちゃうわそんなん。
下品な教官ですが鑑識眼があり、悪者に見えますがとても仕事の出来る人だなと感じました。それに下品なんだけどここまでくるともう面白い。
戦争はそんなデブくんの愛らしい表情をも奪ってしまいます。そしてショッキングなシーンへ。戦場でやっていけるようにという配慮も少なからずあって厳しくしたのだろうけど、デブくんはその本心を理解できなかったのでしょうね。何故デブキャラにしたのか、きっと心の甘さを表現したのでしょう。
と序盤だけでこんなに思うところがあり、どのシーンを切り取っても小一時間は語れるのではないかという宝石箱状態。キューブリックの深みにはまりそうです。
台詞も音楽も場面展開もカメラワークも全部好きすぎて到底語りきれない!
戦争の闇をコミカルに演出できるのは、キューブリックしかいないと思う。
キャラクターの個性も豊かで、映画本来の目的である娯楽部分の役割もちゃんと果たしているように感じました。
俳優陣もどの方達も本当に凄い。凄いという言葉がチープに聞こえるくらい凄い。
実際に戦場の惨事を目にした時の、なんとも言い表せない撮影隊のあの表情が頭から離れないし、脳が麻痺してしまった戦闘隊員の狂気もリアルだった。
ベトナム人女性狙撃手役の方の、目を背けずにはいられないあの演技が、特に印象に残っています。
そしてこれだけはもれずに言いたい、戦争映画あるあるの、弾無限に出てくる問題をキューブリックが解消してくれて感謝感激です。笑