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フルメタル・ジャケットのKKMXのレビュー・感想・評価

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)
4.3
 初キューブリック。教養およびハートマン軍曹の罵詈雑言を観たくて鑑賞。ハートマンは面白かったけど、実は後半の方がキた。

 本作は前半45分がハートマン軍曹のファッキン新兵訓練で、後半がベトナム戦争市街戦という作りです。
 ハートマン軍曹の罵詈雑言はとにかく手数が多い!軍曹はWWEに行けば一気にスーパースターになれますね。ロック様かリック・フレアーレベルの面白アジテーションスキルがございます。顔もなんだか木彫りの妖怪みたいでユニーク。wikiによれば、ハートマン役のリー・アーメイさんは元々演技指導だったけどあまりのペシャリのスキルが高かったため、そのままハートマン役に起用されたそうです。ヤバすぎますねアーメイさん。

 ハートマンに目をつけられる微笑みデブがまたね、俺の友人Fにクリソツなんだよね!しばらく会ってないけど、Fに再会したら笑っちゃいそうです。ガマンしないと!
 あと、微笑みデブって翻訳が素敵すぎますね。実際はゴマー・パイルというそうです。60年代のTV番組のキャラらしい。しかし、翻訳は微笑みデブ!すっげーセンスです。シビれる。
 微笑みデブがドーナツを隠し持っていたシーンを見たらドーナツ食べたくなっちゃったよ。ドーナツ氏もおやつ大統領に立候補!すあまより強いでしょう。


 後半は打って変わってヘビー展開。とにかく観ていてシンドいです。ベトコンの死体と一緒に記念撮影していろいろ武勇伝を話すシーンとか、マジでキモかったです。
 人死にの場面になると妙にアホっぽい昔のポップスが流れるんだけど、戦争の狂気とバカバカしさを見事に演出していると思いました。ストーンズのペイント・イット・ブラックとか、ミッキーマウスマーチとか、音楽の使い方が秀逸です。

 しかしまぁ、ハートマンさんのパワハラ研修受けた後にベトナムで殺し合いとか、とりあえず幸せゼロですね。どこにもハッピーな要素がない。改めて戦争は無意味でダサいと思いました。
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