方眼

見知らぬ乗客の方眼のレビュー・感想・評価

見知らぬ乗客(1951年製作の映画)
4.1
1951年”Strangers on a Train”。原作ハイスミス、脚本チャンドラー。モノクロ視覚効果を最大限活かした演出。ヒチコック・ユニバースに”巻き込まれ系”と”サイコ系”の2系統あるなら、本作はその融合。冒頭から2系統の登場人物の足元だけアップ、列車内で出会って、顔。数学的な編集。初対面ブルーノはブラインドの影が顔を覆う。交換殺人アイデアの話し出しは唐突、初期設定はエレガントだが映画のストーリーは両方の殺人計画を等価に描かず歪な方向へ。メガネ、ライター、小道具が主張。凝った映り込み。展望車両アリバイ確認は同じくチャンドラー脚本「深夜の告白」でも。テニス会場での首振る観客と独りだけこっち見てるブルーノ。アンが心理的に追い詰められるのは監督得意の美女イジメ。観客もじらす、白熱の試合とライター救出大作戦。カメラそばにボールを打ち返す面白いショット(ちなみに監督はテニスに興味ないと思う。オーバーラップで得点経過出したりしないか普通)。メリーゴーランドのサスペンスは圧巻、ミニチュアとスクリーンプロセスの特撮は英国時代よりも高品質。ブルーノはガイに恋してる、二人で一緒にボートに乗りたかった話、とも読める。
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