ゴシちゃん

西部開拓史のゴシちゃんのレビュー・感想・評価

西部開拓史(1962年製作の映画)
3.8
私が洋画を観るようになった頃には、シネラマの映画館はまだ名古屋にもいくつかありましたが、3台の映写機を使用する本来のシネラマ上映はすでに行われておらず、シネラマの湾曲スクリーンに70mmフィルムを上映しシネラマと称していたようです。
この方式で「パピヨン」「風と共に去りぬ」「スターウォーズ」、80年代には「アンタッチャブル」「グレートブルー」等を観ましたが、今の感覚からすると映像が左右の端にかけてかなり歪んでいたように記憶しています。
ただ、歪んではいましたが逆に映画ならではの迫力として受け止めていたもので、おおらかと言えばおおらかな時代でした。

この作品は本来のシネラマ方式で撮影と上映が行われた数少ない1962年の作品。
今回が初見なのですが、2枚組ブルーレイのdisc2がシネラマ劇場の湾曲スクリーンを再現したスペシャル・スマイルボックス方式となっており、このディスクにて観賞いたしました。
映像は端に行くほど広がり確かに歪んでいますが、なかなかと当時の映画館の雰囲気を感じられる映像になっており、「ベン・ハー」なんかもこの方式で見たいなぁと正直思いました。

映画は、西部の開拓時代を舞台にして親子3代にわたる一家の物語が語られます。
ジェームス・スチアート、ジョン・ウエイン、グレゴリー・ペック、ヘンリー・フォンダ、往年の大スター達が次々登場しますが、あくまで脇の顔見世のような扱いになっています。
まあ、もっとも本来のこの映画の主役はシネラマの大画面に繰り広げられるスペクタクルであり、急流の河下り、南北戦争、バッファローの暴走、走る列車上での銃撃戦 等々 大いに映像的に楽しませてくれます。

上映時間2時間44分 途中休憩あり 
大味なドラマだなぁと感じながらも最後まで観ると、親から子へ、そしてまたその子供へ… 時の流れを感じさせ見事な余韻を残す文字通りスケールの大きな映画でした。
ゴシちゃん

ゴシちゃん