疑念と不安、そして恐怖。
優秀なセラピストではあるが、実践が伴わないクレア・サマーズ。
彼女はある飛行機事故の生存者たちのカウンセリングを任される。
グループカウンセリングを通して生存者たちとの交流を図るが、治療は思うように捗らない。
そのカウンセリングを頑なに拒否したエリック・クラークと自宅での治療を重ねるたび、徐々に心を通わせる2人。
そんな中、航空会社の代表アーキンからは、事故原因がパイロットの操縦ミスであるということを聞かされる。
だが、事故の直前に光と炎を見たと証言する生存者。
組織ぐるみで事故の真相を隠ぺいしようとしているのではないかと、クレアは疑い始める。
そして生存者たちが一人また一人と消えてゆく。
グループカウンセリングのたびに、現れる謎の人物。
事故原因の真相は?
クレアが謎の真相に近づくにつれ、驚愕の真実が明らかになってゆく...。
物語はサスペンス映画の王道。
...と思いきや、生と死と愛を考えさせられることとなる。
クレアに世話を焼く初老の女性。
エリックの前に何度も現れ吠える犬。
航空会社の代表アーキンの言動。
真実を知ったときのクレアの恐怖は如何ばかりのものか。
ネタバレになるので多くは語れないが、知覚からあらゆるものの存在を確かめるしかない我々の存在の危うさを思った。
あと、治療の一環で仕方がないとは言え、カウンセラー、特に美人の女性カウンセラーの苦労が垣間見えた気がする。
惜しむらくは、オチがもう少しスッキリしてくれていたら...。
だが、ラストの手紙を読むシーンは好みだった。
2018/03/04