晴海通り

ウエディングの晴海通りのレビュー・感想・評価

ウエディング(1978年製作の映画)
3.6
カーオス(笑)何本か観たアルトマン作品でも群を抜いてカオスかも。その名の通り結婚式の日の話なんですが、冒頭いきなり花婿のお婆さんが亡くなり、教会式で司祭はなんか進行が危うく、花嫁の姉は多分病んでて花婿の双子の姉もなんか腹に一物抱えてて、花嫁の母はゲストに熱烈に口説かれ花婿の母は精神安定のために覚醒剤を打ち、叔母は“アカ”で花嫁にとんでもないギフトを贈り、そのうち花婿花婿それぞれの元カノ元カレが登場してそれぞれ熱いキスを交わし…登場人物てんこ盛りでみんなカオスなんです。

ちょっとみんなずれてるところはウディ・アレンの映画でもありそうだけど、ウディが各人のsickさを笑いや可笑しみに転化させるのに対して、アルトマンはあくまでドライかつ矢継ぎ早にフォーカスします。全員がsickなので段々とこちらの判断力が摩耗してくる。その中心で淡々と死に続けるレジェンド、リリアン・ギッシュ。ラストの茫漠とした感じ。やはりカオス。

嫌いじゃないけど同じアルトマン作品ならザ・プレイヤーの方がサスペンス風でまとまりがあって好きかな。まぁでもこの腰の入ったカオスっぷりはなかなかの見ものです。
晴海通り

晴海通り