広島カップ

白い刻印 アフリクションの広島カップのレビュー・感想・評価

白い刻印 アフリクション(1998年製作の映画)
3.8
最も身近な男....男の子の成長にとって子供時代の父親との関係は男としてのアイデンティティを作るために重要なもの。男の観客に自分の人生を振り返ることを迫ってくること確実な作品。

子供時代に父親(ジェームズ・コバーン)に暴力を受けて育った警察官の主人公(ニック・ノルティ)の話。
反面教師にしてもよかったかも知れぬ、本人はその気もあったかも知れない。その気があっても自分ではどうしようもなかったかも知れない。
父親から自然と引き継ぐもの、引き継ぎたくなくても引き継いでしまっているもの。
そうしたものに苦悩する主人公が歯痛を抱えているというのが演出的に上手い男の修飾になっている。
歯が痛くてどうしようもなくてイライラする男。最後に彼は自らの手でそれを引き抜く。どうしようもない自分の人生に自分でケリをつけようとして。

イラつくノルティも良かったが、父親役のコバーンが素晴らしく枯れている。
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