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オスカー・ワイルドのmiumiuのレビュー・感想・評価

オスカー・ワイルド(1997年製作の映画)
4.2
『ファンタスティック・ビースト』の3作目でジュード・ロウとマッツ・ミケルセンの演技にすっかり魅せられたので、2人の出演作で未鑑賞のものをしばらくは追いかけます。
(もともと好きだから既に観ている作品も多いけど)


劇作家オスカー・ワイルドと、同性の愛人アルフレッド・ダグラス卿の恋を軸に描く伝記映画。
国内だとVHSしかないからUK盤で英語字幕で鑑賞。

主演のスティーヴン・フライも、恋人役のジュード・ロウも、どちらもオスカー・ワイルドとアルフレッド・ダグラス卿にそっくりで驚き。
狙ってキャスティングしたの? と思うほど。

おそらくジュード・ロウの出世作の一つのはずの今作。
ジュード・ロウの輝くような美貌と色気がないと成り立たない作品で、そりゃ評価が高いのも分かる。
アルフレッド・ダグラス本人に似ているのも含め、恐ろしいほどのハマり役。

アルフレッド・ダグラス卿の父が息子の同性愛志向を嫌ってオスカー・ワイルドを告発し、訴訟に敗れて投獄されたことから、オスカー・ワイルドの晩年は不遇になっていくわけだけれど。

今作ではオスカー・ワイルドと”Bosie”ことアルフレッド・ダグラスの訣別までは描かず、あくまでも恋愛映画として美しい作品になっていた。
Bosieの奔放で激情型の性格を見ると
「別れた方がいいのに」
「他の愛人(特にマイケル・シーン演じるロビー・ロス)の方が誠実だよ、そちらを選べばいいのに」
と正直思ってしまう。
人生が転落するきっかけも、Bosieと父の確執に巻き込まれたことが原因だし。

それでも彼の魅力に惹かれてやまないことや、恋することを止められない切なさを表現したラストが好き。
オスカー・ワイルドの、妻への向き合い方も、男性の愛人が複数いるとは言え思ったより誠意あるもので、伝記映画としてもよく出来た作品だと思う。
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