LalaーMukuーMerry

真実の行方のLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

真実の行方(1996年製作の映画)
4.5
法廷もの作品には面白いのが多い。経験則がまた一つ私の中で強化された印象です。これまで見た法廷ものの中でも屈指の面白い作品だった。
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シカゴ大司教殺人事件の容疑者として逮捕された若者(エドワード・ノートン)は、残忍な犯行とは縁のなさそうなおとなしい性格。彼を無実と信じて弁護を買って出た敏腕弁護士(リチャード・ギア)。弁護士と対決する腕利きの女検事(ローラ・リニー)。この二人の人物設定がなかなかよくできている。
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犯行動機を探るうちに、予想外の事実がでてくる。容疑者の性格も普通ではないことが分かってきた…
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「真実とは、12人の陪審員の頭の中に作り出されるものだ」と豪語する弁護士が、勝つためにとった作戦とは…
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多重人格者という存在が、どうしても肌感覚で信じられない私としては、ラストのあっと驚く結末にどちらかといえば納得がいくのだけれど、こっちを認めると、この男をきちんと裁けないままでいいのか?という無力感というか後味の悪さが残ってしまう。人が人を裁く裁判というものにはおのずと限界があるといえばそれまでなのだが…。
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これで映画デビューした、エドワード・ノートンにやられた!