エアール

真実の行方のエアールのレビュー・感想・評価

真実の行方(1996年製作の映画)
3.9
最後の最後まで楽しませてくれる、そんな言葉がぴったりな作品かと。
リチャード・ギアやローラ・リニーらの芝居はもちろん、
やはり特筆すべきはこれがスクリーンデビューとなり、スターも顔負けの芝居を披露したエドワード・ノートンの妙演でしょう!!
駆け引きと二転三転する真相が堪らない。


シカゴ
敏腕弁護士 マーティン。
彼が今回無償弁護を引き受ける、第一級殺人で告訴された若者 アーロン、
被害者は聖ミカエル教会の大司教で、自身の名の財団をもつラシュマン
ーーナイフによる70箇所以上におよぶ刺傷、指は切り落とされ、目玉はくり抜かれ、性器は切り取られ、のどを裂かれて殺されていた、
血まみれになりながら教会から逃走を図ったアーロンを警察が容疑者として逮捕
ーーアーロンは教会の聖歌隊に所属しており、司教のミサの手伝いなどもしていた、
アーロンとの面会で話を聞くマーティン
ーー現場にはアーロン以外にもう1人誰かがいた可能性、第三者の存在が、
借りてた本を返しに司教の部屋へ、すると物音が聞こえて寝室の方へ行くとすでに血の海、そのショックで意識を失ってしまったとのこと
ーーその間の記憶はない
ーー発作のようなものらしく、これまでにも前触れなく時が消えてしまうことがしばしば、
逮捕時 アーロンのポケットには大司教の指輪が、
アーロンの友人 アレックス、アーロンの恋人 リンダの存在、
明るみにされない事実
ーーラシュマン財団が絡んだ福祉と投資事業
ーー川岸宅地開発をめぐる市の有力者たちと意見の食い違い、
担当検事はマーティンが検事局にいた頃の部下であり、恋人でもあったジャネット、
精神分析医による精神分析と分裂症状、
ポルノ・ビデオと隠された顔、
心神喪失、
生まれる疑惑、…


真実がいつも後味の良いものとは限らない
ーー弁護士も検事も、各々信念を貫き双方の役割をきっちりと果たしたにもかかわらず、導き出された結論は妥当ではないかもしれない。

冒頭にて 法科でまず教わったことは
”母親が愛してると言ってもその言葉を疑え”
”不正があるのは娼館ではなく法廷”
依頼人が有罪かどうか、それは弁護士と法廷には関係ない。
人は何をしたにせよ最高の弁護を受ける権利があるのだから。
僕の解釈する真実とは…12人の陪審員の頭に形作られる真実、それは幻影の真実なのかもしれない…

まさしく 笑
エアール

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