クドゥー

劇場版 空の境界/第七章 殺人考察(後)のクドゥーのレビュー・感想・評価

4.0
『死が二人を結ぶまで、もうずっと離れない』

万物の生の綻びが視える少女を描く劇場アニメーション「空の境界」佳境となる第七章は、ラスボスとの死闘で棚上げとなっていた考察の考察によって繋げられた線が面を形成し、たったひとつの冴えた解答を手繰り寄せるダークファンタジー映画の傑作。

愛する女性の無実を信じて「殺人と殺戮を正反対」だとした考察結果はここに極まれるが、満を辞して登場した真犯人に対しては正直なところ「こいつ誰だっけ?」となってしまい、「ワイは義経になりたかったんや!」並に覚醒していたからだとしておこう。

第二期では鳴りを潜めていた声劇を超えたなにかが出ている関係性のエロスがほとばしり、身の危険を認めてもそれが自明であるように戦地へと赴く善性は悪性よりも恐怖であり、真に選ばれし者の生は死を分かつヒロインよりも世界によって定められた。
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