父親に11年間外に出させてもらえず監禁されていた姉妹の二人が、外に出て人々と交流するお話
父親によって産まれた時から外に出させてもらえず監禁されていた...という設定は、ちょうど最近見た『El Castillo de la pureza』という映画と似通っており鑑賞中もこの映画が頭に過ったが...『りんご』はこの映画とは違い、姉妹も父親も人々の優しさに触れることによって社会を知っていく、非常に暖かい映画であった。
同じ設定のEl Castillo～は「人々の暖かさ」とかとは対照的な変態映画だったから意外だった...
タイトルにもなっている通り、映画全体を通して「りんご」が活躍する。それがどのようなメタファーを持ち得ているのかはわからないが、姉妹がりんごを通じて少年や少女と仲を深めていく部分はとても良かった。
また、二人を監禁していた父親も完全な「悪」とは描かれず、特殊な家庭事情の中一体どう育てるのが正解なのか...という父親の苦悩も描かれていたのには驚いた。だが、むしろ父親の苦悩も描くことによってラストの展開が自然に受け入れられるようになり、尚且つ「心優しい物語」の印象がぎゅっと強まるので良かったかな。
調べたら監督は17歳で、出演した家族は映画のモチーフになった事件の当事者であり、しかもこの映画のおかげで姉妹は学校に通えるようになったという...制作背景がかなり奇妙な映画でもある。
てかほぼ同年代でここまでの作品を作り上げるって本当に凄いな...
