ある映画プロデューサーとこの作品のラストシーンについて話題が言及した時、互いが絶句して同時に泣きました。それくらいこのラストシーンは凄い!28年ほど前の有楽町の喫茶店での事です。
ピエール・グラニエ・ドフェール『離愁』
今でこそ、反戦メロドラマの臨界点とも言うべき評価を与えられている本作ですが、
傑作でも何でもないのは誰の目にも明らかです。
にも関わらず私にとって大事な作品であるのは、今でこそ映画好きならその名前を出せば誰もが知る映画プロデューサーと有楽町の喫茶店で談笑していた時、この作品のラストシーンに言及したら二人して一瞬で絶句し、同時に泣きました。
28年ほど前の事です。
映画史に残る名作である必要などありません。
秀作、佳作である必要さえありません。
ラストシーンひとつで全てが赦される映画も世の中には存在するのです。