タイトー

離愁のタイトーのレビュー・感想・評価

離愁(1973年製作の映画)
4.2
1940年代のフランス、ベルギー侵攻の報を受けた主人公夫婦は逃げるため汽車に乗る。臨月の妻と子供を客車に、夫であり主人公の男は十数人の人たちと共に汽車に押し込められ疎開地へ向かう。道中、黒服に身を包んだミステリアスな女性と出会うが……。
といったかんじに始まる話。
とてもゆったりとしてる、だけど戦争をどこか他所ごとのように扱うフランス人が呑気に踊ったり、田園を見て目を細めている。音楽をどうやら有名な作曲家が手がけているらしく、とても綺麗だった。
タイトルが題材でパッケージもなんだかシリアスっぽいが、シリアスと一言で片付けられない心に余韻が残る作品だった。

話自体はシンプルで、時間としては数日の話なのだけれど、体感としてはそれぞれの人生に触れた気分。第二次世界大戦時のユダヤ人との恋愛映画はたまに見かけるけれど、だいぶ毛色は違うかな。
タイトー

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