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人のセックスを笑うなのamuのレビュー・感想・評価

人のセックスを笑うな(2007年製作の映画)
5.0
最高に最高に好き。
空気、テンポ、キャスティング、演技。
全てが好み。

原作を知らず、取っ付き難いタイトルから敬遠し、自分の勝手な思い込みで良作を逃すところだった作品のひとつ。

グレーのダッフルコートを着た美大生・松ケン、丸くて真っ白なニット帽の同級生・蒼井優ちゃん。たまらない。

永作博美さん演じるユリちゃんの、内から滲み出るキュートさ。自分自身にも相手にも、全く偽らない真っ直ぐさは、時に見ている者に嫌悪を抱かせることもあるが、それが全くもって無いというミラクル。それどころか、旦那さんがいても、みるめくんに触ってみたかったんだもん、という一言で嫌悪どころか純粋さが際立つって、これは永作さんだからなのだろうか。凄いと思う。

私はこれまで永作博美さんの演技をほとんど観てこず、どうしてこれほど人気があるのかと不思議に思っていたのだが、今作を観て彼女の可愛らしさにみるめくん同様、夢中になった。

恋愛の仕方は人それぞれ。他人に理解できないカタチの方が多いのかも。だって誰かのために人を好きになるんじゃない。好きという感情そのものを愛おしく思え、自分に嘘をつかない生き方を、ゆったりした風景の中で、テンポ良く魅せてくれた作品。タイトルの意味も理解出来た。(ちょっとストレート過ぎるので気恥しさもあるが、作品を観終えた今、これはこれでしっくりくる。)

猪熊さんの人柄を、訪ねてきたみるめくんに勧める信玄餅で表現したことに脱帽。玄関じゃない方から入ろうとしちゃったみるめくんのこの上ない可愛らしさ。灯油のシーンは100回くらい観ました(笑)三人展を観に来たえんちゃんのファッションにも悶えましたし、ユリちゃんはもう最初から最後まで1ミリの隙もなくパーフェクトにずっと可愛らしかった。
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