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アリババと40匹の盗賊のmitakosamaのレビュー・感想・評価

アリババと40匹の盗賊(1971年製作の映画)
3.0
初期東映動画の黄金期をちょっと過ぎた時代の作品。やっぱりちょっと低迷している印象はあるかね〜?
アラビアンナイトのアリババの話ではあるが、アリババと盗賊団頭領の子孫が、善悪逆転して戦う、という話。

設定からしてちょっと凝ってる、というか凝り過ぎな感じもする。
が、オリジナルの様にアリババを主役にすると、結果的に盗賊団を殺さないとイケナイので、児童向けとして扱い辛かったのかもね。
それに悪い王様をやっつける善良な市民という方が、判官贔屓で感情移入しやすいと判断したのかもしれない。

それより絵の濃ゆさの方が目を見張る。絵のタッチもマンネリにならず色々模索していたのだろうが、おそらく今作はハンナバーバラを意識したんだろうね。
ランプの魔人の独特過ぎるデザイン。ブヨブヨしたピンクの塊でうっすら毛も生えてる。キンタマみたい。前身がピンクで口の中が黄色というアバンギャルドな色彩に中毒性があるわ。

ハックが率いることになった盗賊団がみんな猫。これが全然可愛くないんだな(笑)なんか任侠物のパロディのようなギャグが多くて時代も感じさせる。

声は今では名優なった人ばっかり。主役のハックに大山のぶ代。アリババの子孫に大塚周夫。ハックの連れのネズミに滝口順平。アリババの手下に田の中勇。ランプの魔人に富田耕生。猫のボスに内海賢二。猫の手下に納谷悟朗。なんすか?これ(笑)

全体的にスラップスティックでドタバタが楽しいコメディだが、動画としてはそんなに動いてない。魔人がランプから出てくるシーンは毎回同じバンクだし。動画の醍醐味はそこまで無いかな。

でも1時間弱の物語なのでサクッと見れる。
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