時代を感じる、
映画は時代を背負っている。
冒頭は64年東京五輪を目指すワカモノたちの映像。
そーか、五輪に象徴されるように、
「上に!上に!」が社会共通の目標だった時代のコメディ作品。
どー見ても学生に見えない植木等が三段跳びの選手として登場する。
彼もまた五輪を目指していたのだが、怪我の為に断念。
しかし、彼は全くめげない、落ち込まない
すぐに次の目標を「日本一の会社に入り、出世する!」に置き換える。
ポジティブなんて言葉が通用しない、
ポジティブしか頭にない男。
今では例え虚構の映画の世界でも描き切れない、振り切り過ぎたキャラクター
例えば、ひと昔に流行った今では誰も口にしない食べ物を不思議な感覚で食べるようなイメージもした。
会社に上手いこと入った植木等は、社長に上手いこと取り入って正社員になる。
「ああ、ゴマスリ作戦ね、、」と思ったら
この出世作戦、意外と地道、
まあ、はったりをかましまくるんだけど、
知恵と努力は惜しまない。
ここら辺も、目標が明確で、その先に
「バラ色の未来」が保障されているという
社会全体の共通認識が成立している時代なんだなと思いつつ鑑賞した。
今観ると、不思議なコメディ作品だ。
ちょっと、うまく行き過ぎて、気持ちがなんだか落ち着かなくなるのは、
未来が見えない社会に冒されているからかな。