「言うとったるがのう 広島にヤクザ2つも要りやせんのじゃ」
戦後の広島を舞台とした仁義なきヤクザ同士の抗争のお話第2弾。
本作はどうやらスピンオフ的な位置付けらしく漢の中の漢、菅原文太演じる広能昌三の出番は少なめ(とはいえ存在感は凄まじいものがあったが…)。それよりも北大路欣也演じる山中と千葉真一演じる大友とそれぞれ全くタイプの違う2人を中心とした群像劇といったところで、仁義を貫いた山中の利用されるだけ利用された末の悲劇的な結末を迎えるまでを描いている。
とにかく本作の見所は大友のキレっぷり。「言うなりゃ あれらはお○この汁で飯食うとるんど」などなど台詞の一つひとつが下品だが味のあるものになっていて最高である。そして、そんな彼の存在すべてが仁義なき世界における極道の良くも悪くもではあるが正しい生き方を体現しているといっても過言ではないのかもしれない。
余談だが少し前にNHKのドキュメンタリーでも紹介された今は亡き“原爆スラム”で撮影されたシーンが本作では複数存在するということで歴史的にも価値のある作品だと思われる。