小波norisuke

ニュー・ワールドの小波norisukeのレビュー・感想・評価

ニュー・ワールド(2005年製作の映画)
5.0
アメリカという巨大国家の始まりの物語を映像で観れることに気分が高揚した。1607年にジョン・スミスらの一団がイギリスから帆船でたどり着き、森林を切り開いて植民地を形成する。開拓と侵略のはじまり。そこから西へ西へと広大な大陸を開拓し、侵略していくことにより、「新世界」にアメリカという国が形成されていく。

スミスらは原住民と接触し、異文化が衝突する。ポカホンタスの物語はディズニーのアニメ映画になったが、実在の人物の話だとは知らなかった。史実は定かではないらしいが、ポカホンタスの父親にしてみれば、愛娘があんな異星人のようなスミスと恋に落ちてしまったら、心配でたまらないだろうと思う。

ポカホンタスは、イギリス人らに人質として捕らえられ、スミスが去った後、文字を学び、洗礼を受けることになる。言葉と信仰の強制。侵略の典型であるが、イギリス人らにとっては野蛮な原住民に文明を教え、布教したシンボルとなり、スミスを助けたというエピソードからも白人を助けた勇敢な少女という、政治的な象徴として扱われることとなる。

そして、ポカホンタスがイギリスに招かれた際に同行した彼女と同じ部族の男が、イギリスの人工的に整えられた庭園を歩くシーン。何とも言えない気持ちになる。

マリック監督作品らしく、どう解釈してよいのかわからないのだが、そのわからないところが魅力。
小波norisuke

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