停滞

エロス+虐殺の停滞のレビュー・感想・評価

エロス+虐殺(1970年製作の映画)
4.1
216分ロングバージョンみました。正直内容を理解したとは言えませんが、純粋にすごい、こんな映画が日本にあったのかと。歩いても歩いても近づけない、ふと振り返れば通った記憶のない道が広がる、まるで夢の世界にいるよう。

構図が美しいのは同意するしかないところなんだが、どのショットも絶妙に距離感がある。そして特徴的なのが、若干低めから寄りじゃないのに煽るようにしたり格子の枠越しに捉え身体を映さない。特に脚の歩く動きを描写しないようにしてるのか。突如現れる俯瞰ショットでも足元はほとんど映らない。それによりカットの繋ぎを含む運動で表現される世界とは反対に断片的なイメージや言葉だけで構成される夢幻的な世界が表現されているのか。

大島渚は主に主題面で前衛であるように思うが、吉田喜重はより形式面において前衛的な部分があったのか。初吉田喜重なので他作品もみてみたいと思った。
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