ROY

エロス+虐殺のROYのレビュー・感想・評価

エロス+虐殺(1970年製作の映画)
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216分のロング・バージョンを観賞

120分くらいに休憩あり

まだ咀嚼しきれない。「性と政治」というテーマでいえば『暗殺の森』だが、それをもっと前衛的にしたものっていう認識。

サントラはApryl Fool

■ABOUT
松竹ヌーヴェル・ヴァーグ出身の吉田喜重監督が、大正のアナーキスト大杉栄が三角関係のもつれから刺された事件を取り上げ、大正時代と現代(昭和40年代)のそれぞれの風俗と人物たちを、時間軸と空間軸を交錯させ前衛的な手法で描いた愛と憎しみのドラマ。(TSUTAYAより)

父、国家、天皇制という男性的な権力構造と対峙する、大杉栄のアナーキズムと自由恋愛論。それを超えようとして、伊藤野枝が問いかける「母の母の母」のイメージ。男の論理と女の情念との葛藤、大正と現在との時間のせめぎあい、それが虐殺の一瞬へと収斂する。(「アンスティチュ・フランセ東京」HPより)

大正時代に実在したアナキストの大杉栄と、その愛人であり、婦人解放運動のアクティビストであった伊藤野枝のスキャンダラスな愛と最期を、史実に忠実に描かれたセミフィクション。

■NOTES
「春三月縊り残され花に舞う と吟じた大杉栄と乱調の美の生涯を生きた伊藤野枝の叛逆とエロトロジーについての若きわれわれ・私それともあなたのアンビバランスな加担に至る頽廃の歓びのあるトーキング」

本作は実在の出来事を題材にしている。他の主なものはモデルの実名だが、神近市子をモデルとしたと推測される役柄は、正岡逸子の仮名が当てられていた。神近市子はこの映画の公開にあたり、自身の名誉権とプライバシー権の侵害を理由に上映の差し止めを求めて提訴したが、「周知の事実」として棄却された。(プライバシー侵害と表現の自由 『エロス+虐殺』事件 東京高裁昭和45年4月13日)

音楽は現代音楽家の一柳慧が担当している

二部構成になっており、前半は「甘粕事件」(憲兵による主人公らの虐殺)に至るまでを描き、短いインターバルを挟んで、後半は「葉山日蔭の茶屋事件」(痴情のもつれによる刃傷沙汰)に至るまでの過程を描いている。

冒頭の伊藤野枝と女子大生のインタビューシーンで『さらば、わが愛 覇王別姫』を思い出した。

三つ巴の恋

露光つよ

どこで話してるんだよっていう場面が多い

手もなければ羽も捥がれたアヒル

知識的マスタベーション



襖全倒れ

「人間が人間を所有するなんて、そんなことできるわけないわ」
「できるのよ。私は月給150円の女流記者。この人は文無しの主義者なの。大杉も保子さんも私が面倒見てるの。つまり相互扶助ってわけよ。〜お金で心は買えないなんて言うけどそんなの嘘よ。革命家だってその魂だって買えるのよ」

「あなたのことスプリングボードにしてちょっと生活を変えようとしただけかも。結び目を一つほどこうとしただけなのに」
「結び目をほどこうとしたら全体がほどけてしまった」

「分かったら刃物を捨てたまえ。そんなもので手に入れられるのは死体ぐらいのものだ」

偉大なモニュメント
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