馮美梅

ショージとタカオの馮美梅のネタバレレビュー・内容・結末

ショージとタカオ(2010年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

1967年に起きた強盗殺人事件の容疑者として逮捕された2人の男性の長い長い闘いの物語。

物語は2人が仮釈放で刑務所から出てくるシーンから始まります。それからの14年の彼らの日常と無実を達とるための戦いの日々が紹介されています。

冤罪を訴え続け獄中に29年そして仮釈放で15年、無実を訴え続けてきた2人とそれを支える人たちが妙に明るいトーンで描かれています。

考えると自分自身が生まれて現在の間、ずーっと刑務所や罪人として生きてこなければならなかったと考えると本当に相当な精神力が無ければ辛すぎますけど、そんな過酷な運命の中で制限された獄中にあっても色んな事を学び、それによって絶望を希望にかえて生きてこられた2人はすごいなと。

劇中所々に登場するイラスト入りで事件の説明や2人のプロフィールなども妙にコミカルなんだけど誰が見ても分かりやすく作られていると思います。

29年ぶりに出てきた外の世界は2人にとって驚くべきことばかりで、本当に浦島太郎の様な状態でタカオさんは切符1枚、電話をかけることも、そして女子高生の制服のスカート丈にすら驚く素のリアクションは笑っちゃいけないんだろうけど笑っちゃいます。そしてショージさんもすごくアクティブでそして日常の些細なことをも愛おしくて嬉しく感じる様子が見てる人間をもポジティブにしてくれるようです。

シリアスな内容で状況なはずなのに、本当に2人の対照的なキャラクターも含め引き込まれるというのか、すごいなぁと思う。

150分と本当に長っ!と文字だけ見ると長いけれど実際見たらそんなこと全く苦にならない作品でした。なにより仮釈放してから作ったそれぞれの家庭と家族の姿の絆をすごく感じられる作品でもあります。機会があればぜひ多くの方に観てほしい作品です。
馮美梅

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