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ロング・ライダーズのHKのレビュー・感想・評価

ロング・ライダーズ(1980年製作の映画)
3.8
久しぶりですが観るのは3回目くらいでしょうか。
ジェシーとフランクのジェームズ兄弟とコール、ジム、ボブのヤンガー兄弟からなる有名なジェームズ=ヤンガー強盗団を描いたウォルター・ヒル監督初の西部劇です。
ヒル監督は他にも『ワイルド・ビル』『ジェロニモ』といった実在の人物を描いた西部劇を撮っています。

公開時は既に西部劇は貴重でしたし、実の兄弟俳優たちが4組の兄弟をそれぞれ演じたのも話題となり、淀川さんも推してましたが、正直、私としてはペキンパー作品を表面だけ丸パクリしたイマイチ作品の印象でした。
ところが今あらためて観るとなかなかイイ感じ(アレっ?)。

まあ先日、同じくジェームズ兄弟を描いた古い作品『地獄への道』『地獄への逆襲』を観た影響もありますが、それぞれのキャラの位置関係やピンカートン探偵社(当時はFBIに匹敵)との壮絶な攻防が、より真実に近くリアルに迫ってきて興味深く鑑賞できました。
史実の映画化は、作品毎のキャラやエピソードの微妙な違いを発見するのも醍醐味です。

タイトルの一部でもあるロングコートは古い作品でもお馴染みの彼らのトレードマーク。
他作品では薄茶や黄土色っぽいイメージですが、本作ではグレーっぽくてそれがまたクールでスタイリッシュな印象を与えています。どちらが史実に忠実な色かは知りませんが。

私の記憶ではジェシー役はステイシー・キーチだったんですが、実は弟の方のジェームズ・キーチでした。兄のフランクがステイシー。まあ顔が似てるから仕方ないと自己弁護しますが、この二人は本作の脚本にも参加しています。
ステイシーは過去に同じく西部の実在キャラ『ドク・ホリデー』を演じた経験もあり。
ヤンガー兄弟を演じるのはデビッド、キース、ロバートのキャラダイン兄弟。ロバートは実はあまり知りません。
他にも一味のクレルとエドのミラー兄弟を演じるのがランディとデニスのクエイド兄弟。
フォ-ド兄弟の俳優は知りませんが、この中で最近でも見かけるのはデニス・クエイドくらいでしょうか。

今回はペキンパーのスローモーションの影響だけでなく、『地獄への道』と全く同じセリフやソックリなシーンなどのオマージュも発見。
でも、主人公たちをイタズラに英雄視せず、彼らの悪事とその報いもしっかり描いています。

ちなみにフランク・ジェームズとコール・ヤンガーは事件の後もけっこう長生きしており、後にバッファロー・ビルの“ワイルド・ウエスト・ショー”にも出演しているようです。
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