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ヴィデオドロームのSSDDのレビュー・感想・評価

ヴィデオドローム(1982年製作の映画)
3.9
■概要
小さなTV局の社長は常に刺激的な暴力、官能的な映像を探し、放映することで大手の局と張り合っていた。
ある日スクランブル電波を発しながら流しているビデオドロームという映像を傍受するが、内容は過激なものだった。
すべての壁の色は統一された土壁色で、そこでは拷問、殺人などの行為がただただ流れる映像であった。
社長は放送の出どころを知るために奔走し始める…。

■感想(ネタバレなし)
※かなり序盤から官能的な映像が出てくるため、家族での視聴は控えてください※

完全に怪作であり、カルト映画といわれる類のもの。
ツインピークスの予告映像を見た時と同じような衝撃の予告に惹き込まれて観ました。

一体現実が何で、どこからが幻覚なのかが主人公と一緒にわからなくなっていく作風でどう捉えていいかもわからない。

深夜に眠気を抑えながら観たから実際変に夢に出るような状況で観てしまった…。

途中から起こる幻覚の描写がこの年代の作品とは思えない。
有機物がまるで鼓動するように動き出す様や、収縮して生物と融合する動きがグロテスクだが圧巻。

ゴア表現もしっかりエグい部分もあるため、作風も相まって脳裏に焼き付くシーンが多々ありました。

理解しがたい内容が多かったのでまた再視聴したいと思います。とにかく刺激が欲しければ本作は素晴らしい体験をあなたに届けますよ!










■感想(ネタバレあり)
幻覚で認識してしまったものは現実に影響できるようになると言う論理のようだ。
だがダークシティのように覚醒後の主人公が現実を書き換える能力を持ったのかよくわからない。

自分をはめた相手の腕を溶かして、手榴弾に変えて壁ごと爆破するシーンがあったが確かに周囲の人間も騒いでいたので、幻覚が現実を書き換えたように思える。

だが幻覚で観た死体が現実にはなかったりというシーンが以前に出てきたりするのでわからなくなる…。

ビデオドロームで洗脳して殺された教授が時系列を超えているのが気になる。
恋人の映像を使って主人公の洗脳をさらに上書きすることで新人間になったのなら、教授は恋人の映像の用意は娘にさせたのだろうか?
それとも単純に主人公の観た幻覚が恋人が出てくる映像なだけで、彼女は普通に殺されただけだったのかもしれない。

まとまりがつかないが、とにかく吹っ飛んだ作品で視聴側も惑わされるような作風に脱帽しました。

テレビが柔らかくなっていき、脈打ち、血管まで浮き出る描写は圧巻。テレビ画面が伸びて引き込まれるという描写も過去類似があった気もするがここまで巧妙に見せてくる映像が素晴らしい。
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