しがい

ヴィデオドロームのしがいのレビュー・感想・評価

ヴィデオドローム(1982年製作の映画)
3.4
難解すぎて、どゆこと????ってなってしまいましたが、分からなすぎる映画は逆に好き(笑)勝手な推測を膨らませ甲斐があるし、他人の解説を聞くのも楽しいですよね。
それに特殊メイクが流石で見惚れてしまいます。狼男アメリカンのリック・ベイカーなんですね。

私なりに色々考えてみたのですが、これはメディア批判と見せかけて、メディアの与える刺激に対する崇拝ではないかと。
主人公は過剰な暴力や性に魅せられていく人間の典型として描かれますが、クローネンバーグ監督自身もグロテスクを作品の主要要素にしている時点で刺激に取り憑かれた人間の一人ですよね。
映画の冒頭で、「テレビの放送する暴力や性が現実に影響を及ぼすのでは?」と専門家が発言していましたが、そんな偏見への反骨精神がこの映画にはあるような気がしました。
なぜなら刺激を追求することこそ更なる知覚や想像力を手に入れる手段だからです。たしかに悪い影響を及ぼすきっかけにもなり得ますが、それを避ければ人間の精神的な成長は停止してしまうことにもなります。
だから監督は、現実では見られないものを見せるテレビこそ人間を新たな世界へと導く鍵だということを、お得意の過剰なグロテスク描写でもってそれはもう暴力的に描いたのではないかと思います…(笑)

稚拙な文章力で悲しいっ。
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