ワルキューリ

ウォール街のワルキューリのレビュー・感想・評価

ウォール街(1987年製作の映画)
3.8
ニューヨーク砂漠を舞台に『怒りの荒野』の如く弟子が師匠を乗り越えようともがくピカレスクロマン。

『ナニワ金融道』で「親や友達を売って金にするのがマルチ商法」みたいなセリフがあってなんて怖いんだと思ったものだけど、そもそもそういう絆に価値がないと思ってしまえば金のほうが価値があると思う人がいるんだろう。
まさにそのまんまな価値観のゲッコーに魅せられ弟子入りするバド。しかし周りの人間を一切信用せず、とにかく金金金!のゲッコーに対するリベレイターになる瞬間に引き込まれる。

何より特徴的なのは、何百何千万ドルの取引も数百ドルの無心も繰り返し描かれるのに、札束一枚出てこないし何かを買いもしない。最後まで「金の価値」は何なのか?に答えを出さず、人はただ振り回されるだけというオリバー・ストーン監督らしい強烈な社会風刺ですかね。

でもお金は大事だよー(笑)