ぶみ

ウォール街のぶみのレビュー・感想・評価

ウォール街(1987年製作の映画)
3.5
僕は誰だ。

オリバー・ストーン監督、マイケル・ダグラス、チャーリー・シーン等の共演によるドラマ。
若手証券マンと、貪欲な投資家等の姿を描く。
主人公となる証券マンをシーン、投資家をダグラスが演じているほか、証券マンの父親をマーティン・シーン、恋人となる女性をダリル・ハンナが演じており、ダグラスがアカデミー主演男優賞を受賞した反面、ハンナはゴールデンラズベリー賞の最低助演女優賞と、真逆の賞を受賞している稀有な作品となっている。
確かに、バブリー感溢れる時代の鑑のような、切れ者の投資家を演じたダグラスの演技は素晴らしいものであるとともに、ハンナの演技は少々浮いている感じは否めないものの、ゴールデンラズベリー賞を取るほど酷かったかと言うと、そこまでではないかなという印象。
そんな中、実の親子でもあるチャーリー・シーンとマーティン・シーンが、本作品の役柄でも親子となっており、二人のやりとりが息がピッタリであるのも見逃せないポイント。
物語は、若手証券マンが投資家に憧れ、金儲けだけを目的とした企業買収に手を染めていく姿が描かれるが、その様は、まさに金が全ての資本主義に警鐘を鳴らすものとなっており、バブル景気に突入しようとする時代背景をリアルタイムに切り取っている。
私は経済や株には全くもって疎いのだが、そんな私でも終盤にある株のやりとりは、非常にスリリングで、つい見入ってしまうものに仕上がっている。
80年代の金融事情を知ることができ、あの頃のファッションと浮わついた空気感が懐かしく感じられると同時に、金融ドラマとしてわかりやすい内容の一作。

あぶく銭を求めず、物を作れ。
売り買いでなく、創造するんだ。
ぶみ

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