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モンスターのmのレビュー・感想・評価

モンスター(2003年製作の映画)
3.5
運命に抗うことは出来るのか?
人間がどれだけ醜いのか、そして美しいのかが分かる。

まず……私の知っている美しいねぇさんじゃない……。
『アトミック・ブロンド』の美しさのかけらもない……。
私の中で肉体改造凄いっていうのはクリスチャン・ベールさんだったんだけど、……これは驚く。
シャーリーズ・セロンさん凄いです、びっくり。

今作は、母性と恋愛について少し考えた。
アイリーン(シャーリーズ・セロンさん)は長女で身体を使って家族を養っていくというのに慣れてしまっている気がした。
慣れ過ぎてしまっている。
セルビー(クリスティーナ・リッチさん)はギブスをして弱い子供。
性別も年齢も超越した彼女たちの関係は、アイリーンの過剰な母性だったのではないか?
弱い者を守るのに慣れてしまった彼女は、少し依存に見える。

殺人シーンは男性への怒りが強くこめられていて悲しくなった。
けど、セルビーの前では明るくいつも通り口汚く叫ぶのは孤独な長女そのまま。

セルビーはセルビーで、甘えん坊のまだまだ餓鬼。
アイリーンを真似して強く見せる姿は、中身空っぽなんだろうなと虚しくなった。
純粋さって本当に凶器。
ラストも自分本意だったけれど、アイリーンはそれをそのままOKとしていて泣けた。

裁判シーンで、悲しみの表情、そしてその反面セルビーを本当に愛していたんだと思う表情、両方が見れて鳥肌が立った。
シャーリーズ・セロンさん凄い……本当に。

あの夜のセックスは今までで一番のものだったんだろうな。
アイリーンにとって唯一の救いだったのかな、と思うと泣けてくる。

生い立ちってなんなんだろう?
アイデンティティを追求する作品を連続して観ているから深く悩んでしまう。

ストーリー : ★★★☆☆
映像 : ★★★☆☆
設定 : ★★★★☆
キャスト: ★★★★★(シャーリーズ・セロンさんに)
メッセージ性 : ★★★☆☆
感情移入・共感 : ★★☆☆☆

cc/なぜ、愛を知ってしまったんだろう。
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