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バベルのkekqのレビュー・感想・評価

バベル(2006年製作の映画)
3.6
「日本人の女優がアメリカの賞をとった!」とその快挙が大いに盛り上げられた後、「えっ?こんな映画で…!?」と多くの人が困惑した作品。菊地凛子は芯の通った良い女優さんです。

外国人の抱く清潔で真面目な日本のイメージに対して、性的なカオスをもたらす"TOKYOの女子高生"というアイコン。そこにさらに欲求不満のゲージを高めるため、"聾唖"というオプションも追加して…。

海外の映画で描かれた日本としてはエキゾチックな憧憬が一切なくズバ抜けたリアリティを実現していますが、悪い意味で海外から見た今の日本のイメージが際立っており、それがまた国産の映画では描けない面白さに昇華されています。

モロッコ、メキシコの描写も大変な事件が起きているというよりはしんどいこと、苦しいことが起こり続けている空気であり、生きることの負の側面を否応なしに思い知らされます。

ガエルとブラッドピットの腰抜けぶりも容赦なく、イヤな見どころ満載の素敵なエンターテイメントです。
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