かつての記憶を頼りにレビュー。
愚かなことは罪である。物語のすべての人びとはそれぞれに愚かで、それ故に罪が生じる。ひどく悲しいしどうすることもできない。なぜわたしたちはこれほどまでに愚かなのか。
愚かで罪深いわたしたちを救済するにはどうしたらよいのか。
映画の最後のように、黙って隣人を抱きしめ愛するしかないのだろう。
啓蒙や教育への期待はありつつも、それは際限なく続く地獄のようなものでもある。わたしたちはいつまで経っても「それ」に至ることなどできない。その時に愛は確かに救済となる。
だが、それでも愚かなことは罪を生むものとして、啓蒙と教育の必要は考えなければならないだろう。
このディレンマは解消することなく共立するしかない。