公開当時、名作と叫ばれてた印象があったので、思ったよりFilmarksの評価が低くて意外。
ずっと前から録画してあったものの、タイトルやポスターから溢れ出るアンハッピー感からつい敬遠してしまっていた。重い腰を上げて鑑賞。
モロッコ、日本、アメリカ(メキシコ)という三軸で物語が進みます。
何も起きてない日常の場面ですら、不幸オーラが漂ってるのがある意味すごい。どの軸も、今にも悪いことが起きそうな気配がむんむん。
テンポがゆるめなので途中離脱しそうになるも、こんな離れた場所の物語がどうやって繋がるの?という興味で見進める。
決定的な悪人なんて存在してなくて、ただ一つボタンをかけ違えただけで不幸に見舞われる登場人物たちが見ていていたたまれ
ない。
【以下ネタバレ】
好きなシーンを挙げるなら、後半ブラピが泣く2つのシーン。
1つ目は、失禁してしまった奥さんを抱きかかえながらキスするシーン。今までどこか取り繕っていて、お互いの本心をさらけ出さなかった夫婦が初めてむき出しの本心をぶつけ合う感じ。ケイト・ブランシェットの、死の間際ですらツンとしてた表情が崩れるのがよかった。
2つ目は、息子との電話越しに泣いてしまうシーン。幼い息子を心配させまいと、受話器の向きをくるっと変えて自分の泣き声が入らないようにする仕草がリアルだった。
ブラピのことしか褒めないのかよっていうお叱りが聞こえてきますがこのへんで。