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バベルのtulpenのレビュー・感想・評価

バベル(2006年製作の映画)
4.2
複数のストーリーがひとつに収束していく展開は 『アモーレス・ペロス』『21グラム』でアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督がずっとやってきたこと。
今回はモロッコ、メキシコ、日本を舞台に話はつながっていくけれど今までで1番ソフトな印象を受けた。
そうは言っても観終わってからズーンとくるんだけどね。


メキシコの物語はアドリアナ・バラッザがブラッド・ピット とケイト・ブランシェット夫婦の乳母役アメリアを演じている。
彼女がその子供と交わす会話に胸がしめつけられた 。

「悪いことしたんでしょ?」
「悪いことはしてない、愚かなことをしただけよ…」

生まれてからいままで間違ってないと思いながらも、愚かなことを繰り返してる・・。

アメリアが真っ赤なドレスで彷徨うシーンと、ブラピ演じるリチャードとモロッコのガイドのラストシーンに泣けました。

意志の疎通ができない人たちの孤独感を、漂わせながら進んでいくストーリー。
その果てにある何かを探すかのようにスクリーンの中の人たちの心のゆれに寄り添ったあっという間の143分。。
微かだけど愛というつながりを見た気がした・・・。


日本語音声に日本語字幕が入ったのはこの映画が初めてらしいね。


今はもうない静岡ピカデリーにて。
2007.4/28 (37) 通算986本
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