wisteria

JUNO/ジュノのwisteriaのレビュー・感想・評価

JUNO/ジュノ(2007年製作の映画)
4.4
有名作ながらDisney+で初鑑賞。
監督は新作ゴーストバスターズでも話題となったジェイソン・ライトマン。主演はエレン・ペイジ。現在はトランスジェンダーであることを公表しエリオット・ペイジと改名している。

ちょっとした好奇心から妊娠してしまった16歳の高校生ジュノ(エレン・ペイジ)。子どもを産むか産まないか、両親にどう伝えるか、考えた末に産まれる赤ちゃんを養子に出す決断をするのだがその養父母とどう関わっていくか、そして赤ちゃんの実の父親との関係は……といったことが描かれるお話。

下手すると深刻で説教臭いお涙頂戴系になってしまいそうな題材を実に軽やかなコメディ調で描いている。主人公のジュノを筆頭に登場人物全員が一癖も二癖もある変わり者揃いでそれぞれに生きづらさを抱えているだろうにそれにめげて卑屈になったりいじけてる様子もなく、堂々としてるのが素晴らしい。変人ですが何か?と。どうせ「普通」の生き方なんてどこにもありゃしないんだから好きに生きれば良いんじゃない?と背中を押してくれる感じがある。

何の前知識も持たず観たからか、下手なミステリーなんかより意外なひねりの入った、そう来ますかー、という展開が多く当時アカデミー脚本賞を受賞したのも納得のクオリティ。

最近レビューした『コーダ』のシアン・ヘダー監督の長編デビュー作『タルーラ 彼女たちの事情』(2016)の配役、エレン・ペイジのぶっちゃけキャラとか元彼のお母さん役にアリソン・ジャネイをもってきたりとかは明らかにこの作品を下敷きにしていたんですね。10年後のジュノ、という感じで合わせて観る面白さもありました。主演したエリオット・ペイジ自身の生き方も「普通」なんてどうでも良いじゃん!というメッセージに説得力を持たせている。


ところで作中でジュノの使う謎のハンバーガー🍔型固定電話が出てくるんですが、当時はあんなものが存在したんですね!?すごく可愛くて、あれ欲しくなっちゃいました😆
wisteria

wisteria