しぇんみん

JUNO/ジュノのしぇんみんのレビュー・感想・評価

JUNO/ジュノ(2007年製作の映画)
3.7
ありのままのお前を好きになってくれる人をみつけること。不機嫌なとき、上機嫌なとき、すべてを包んでくれる人。それなら長続きするさ。

女子高生ジュノは、'70年代のロックやパンクの音楽、そしてマニアックなホラー映画が大好きな16歳。

彼女は成り行きで同級生のポーリーとセックスしてしまい、結果、妊娠。

妊娠テスターで確認し、親友のリアに相談、中絶するつもりで病院に行くことに。

しかし病院の前で、中絶を反対する同級生から「あなたの赤ちゃんにはもう爪が生えている」と言われたことで、考えを改め生む決心をする。

でも16歳の自分では、子供を育て切れないと思うジュノは、両親に妊娠のことを打ち明け、リアとともに里親探しを開始。

なかでも感じのよい夫婦を見つけ、彼女は父親とともにマークとヴァネッサ夫婦のもとに向かう。

お腹の大きさも目立ち始めるなか、養父母となる夫婦と親交を深めてゆくジュノだったが、思わぬ不協和音が響き始めるのだった...。

胸の真ん中がほんのり暖かくなる、心地よいセンスを楽しむ作品。

ジュノ演じるエレン・ペイジのセリフ回しやキャラクターの創り込みが好みだった。

明るさ、テキトーさ、表情、心からの涙、そしてキス。

まさにジュノ(=エレン・ペイジ)を満喫する映画だ。

日本人的には、賛否両論ある内容であることは想像に難くない。

問題の主人公ジュノ本人が、とにかく明るくテキトーなのだ。

高校生での妊娠や養子縁組など、日本だったら重い内容にせざるを得ない題材なのにだ。

ジュノの軽過ぎるほどのノリは傍から見ると不謹慎だが、物語の本質は「女の子の成長」という点なのだろう。

何度でもやり直せる「若さの可能性」を描いているのだと思う。

「壁にぶち当たっても諦めるな、道はある、勇気をもって前進しろ」というメッセージが読み取れる。

それは、養父となるはずだったマークにも言えることだ。

ジュノに触発され、大人になって諦めた夢をまた見ることになる訳だし。

そして物語のラスト、本当に大切な人が誰だか気付いたジュノ。

だが、手放した彼女の分身のことは、すでに彼女の心の中には無いようにも思える。

本作が提起する本質的な問題は、観客各々が改めて考えてみて欲しいと思う。

ハナマル!

2018/12/06