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「無頼」より 大幹部のtunicのレビュー・感想・評価

「無頼」より 大幹部(1968年製作の映画)
5.0
文句なしの大傑作!原作つきとはいえ渡哲也の過剰なおしゃべりキャラは紅の流れ星の延長線上にあるのかしら。脚本はおなじく池上金男。そういえばどっちも名は五郎。ギンギラ復讐に燃える男でありながら栗ぜんざいに目がない甘党だったり元カノの住む団地をこっそりのぞいて幸せ見届けたり。ここぞというときにはハラハラと美しい涙を流してみせるし、こんな可愛らしいヤクザってあるか⁈もうたまらん!あと浅草や新宿の配線跡などのロケとセット撮影の塩梅がいい。撮影タカクラ美術キムタケ。ごちゃっとしたアパートを屋根伝いで歩くモンパルナス感、大久保なのにフランスの風吹いてる。バーカトレアも青江三奈のクラブの内装もよかった。中盤の土砂降りのなか敵だらけのダンジョンをドス振り回しながらの移動もよかったけれど、ラストで目的を果たし気づけば誰もいない伽藍洞の逆光ロードをひとり去るシーンも素晴らしくてなんか涙でた。このときの渡哲也と人魚伝説の白都真理がなぜか重なってみえる。復讐のターゲットはどちらも青木義朗なので偶然ではないかも知れない。
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