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袋小路のHKのレビュー・感想・評価

袋小路(1965年製作の映画)
4.0
U-NEXTに未見のポランスキー作品がいくつかあり、主演がドナルド・プレザンス(当時46歳)とフランソワーズ・ドルレアック(当時24歳)と知って俄然興味が湧いた本作を観たところ、予想以上に私好みでした。
満潮になると孤立する古城に住む変わり者夫婦のところに、仕事にしくじった2人組のギャングが逃げ込んでひと騒動・・・ベルリン国際映画祭の金熊賞受賞作品。

前作のカトリーヌ・ドヌーブ主演のサイコ・スリラー『反撥』とは打って変わってコメディ調。ドヌーブとドルレアックが姉妹でポランスキー作品に連続主演していたとは知りませんでした。
ドルレアックの出演作を観るのは『リオの男』『ロシュフォールの恋人たち』に次いで3本目。本作は上記2本の間に撮られた亡くなる1年前の作品。
似ていますが妹のドヌーブの方が顔が少し縦長でしょうか。
ちなみにドヌーブは母方の旧姓で本名はどちらもドルレアック、実はもう一人妹がいて3姉妹だとか。

ドナルド・プレザンスの出演作は偽造屋ブライスの『大脱走』や初代ブロフェルドの『007は二度死ぬ』を始め、『テレフォン』『ハロウィン』他かなりの数観ていますが、本作が1番若いと思ったら『大脱走』が3年も前でした。今回は珍しく主役級です。

で、3人目の主役がギャングの1人を演じるライオネル・スタンダーというオッサン。
この顔どこかで見てるぞ、しかも何度も・・・と気になりながらの鑑賞。
後になってやっと『ウェスタン(=ワンス・アポン~ウエスト)』の酒場のオヤジだと思い出しました。あと『新・黄金の七人 7×7』のアイツだったんですね。他にもけっこう観ている映画に出ていました。
観終わると実はこのギャングが3人の中で一番善人だったような気もします。

ドルレアックが昼寝しているスタンダーの足の指に紙を挟んで火をつけるんですが、こんなイタズラは『トムとジェリー』でしか見たことなかったので実写で見れて感動。
カメラの長回しにとぼけたユーモア。
人によって合う合わないがありそうですが、私はかなり楽しめました。

あ、そういえばジャクリーン・ビセットに似た人がチラッと出ていると思ったら本人でしたね。
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