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(500)日のサマーのzikoのネタバレレビュー・内容・結末

(500)日のサマー(2009年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

【作り物の映画】
あらかじめ言っておくが、これはラブストーリーではない…
さて、本編は、ぐりとぐらみたいな、1ページごとに話が違う絵本を見てる気分。そして、ウェットの効いた主張の強すぎるナレーション。
そう、この映画あえて作り物だと感じさせるような作りになってる。
例えば、主人公の理想と現実が画面に二分割になって比較できるようになるシーンとか。

でも、それらの仕掛けの意味はなんだろう?それは、主人公が言った「映画とかポップスが嘘を生み出して、だから傷つく」この一言が全てだ思う。

この映画は嘘なんだ、現実じゃないんだ。そうあえてわからせる仕掛け。普通ならそれは物語の感情移入を妨げるノイズになる。が、この映画に関しては主人公が本当に作りたかったもの、それがこの映画空間なんじゃないか。そう思えてくるのだ。

運命なんて嘘をつくってるのが映画やポップなら、そんなのはいらない。そう、この映画は「はい僕ら嘘つきでーす」とおもっきり主張してる作り物の映画。逆に清々しい。

最後のオータムよ、ってところもあまりにもできすぎた運命に作り物感すら感じる。でも、終始作り物を意識してるんだからそれでこそだ!なんて思えたいい映画。
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