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(500)日のサマーのtkykのレビュー・感想・評価

(500)日のサマー(2009年製作の映画)
3.7
「ブルーバレンタイン」や「花束みたいな恋をした」系の映画という事で普通は自分の体験と重ね合わせながら観るのだろうが、如何せんそういう事に疎いので感情移入しかねる作品なのだと思う。
この映画を観ての第一印象は『「サマーって魔性の女じゃねえか!」っとも言い切れないか』という印象だった。サマーはとにかく自分から観てもとても魅力的で、リアルで出会ったらトム同様一目惚れしてしまいそうな女性だったが、彼女の考え方も相まって、どこかお高く止まっているようにも見えた。
そのせいで彼女がとにかくトムを振り回しているように見えて、彼が可哀想にも思えた。これほど人を振り回しておいてサマーはトムの事などお構い無しかのように自分の人生を歩んでいるとなると、サマーが自分勝手に見えた。
しかしサマーの終盤の行動はまさに序盤のトムと一緒であり、トムとサマーが同じ様な気持ちで出会い、互いに会っていた訳では無いと感じた。自分が一目惚れしたからと言って、相手が同じ様な気持ちとは限らないし、いくら相手の考えを理解しているつもりでも、本当には相手の考えていることは分からないという事を思い知らされた。
当たり前なのかもしれないが、あくまで自分以外の人間はれっきとした他者であり、本当には分かり合えないのだと思った。
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