付き合いたい男と、ぼやぁ~とした関係をキープしたい女の話。
世の中に一定数存在する、『彼氏はイヤだけど独りもイヤ』という女像がかなり細かく描かれていたと思う。
現実によく出くわす、必要以上に男友達が多いアピールする女、異性との関係性をオープンにしたがる女もその亜種であります。
特に半年ぐらいの短期留学で帰国子女を名乗るアホな女子大生に顕著に見受けられ、ペチャパイの癖にボデーラインを強調するファッションを好む傾向も、本作主人公とダブります。
このヒロイン像をそのまま受け入れると、私の様なコミュ障人見知りEDは恐怖のあまり異性と会話することすらままならなくなりますが、こういった女性像をある種の災害と捉えれば一歩前に踏み出すことができます。
作中度々、『運命』という言葉が登場しますが、振り回されて捨てられたとしても「運命ならしゃーない」「俺の前世、何やらかしたんだろう」と割り切ることが出来るでしょう。
映画として面白かったかは微妙ですが、文学オタク特有の謎の言い回し、言葉の使い方は嫌いではありませんでした。
ひとつ許せなかったのは「世の中にいる女性は彼女だけじゃないのよ」的な励まし文句です。
正しくは「世の中にいる女性は彼女だけじゃないけど、あなたのことを好きになってくれる女性はいるかわからない」です。
必要以上の希望を持たせることは時に残酷な結果を招くのです。