みづき

(500)日のサマーのみづきのレビュー・感想・評価

(500)日のサマー(2009年製作の映画)
4.5
ポップでセンチメンタルなサブカル的おしゃれラブコメだと思ったら大間違いで、軽い気持ちで見ると火傷しかねない。
この映画はポップでセンチメンタルなサブカル的おしゃれラブコメという皮を被ってはいるものの、実態は非常にハードに愛情もしくは運命のすれ違いを描いた作品。

昔はポップでセンチメンタルなサブカル的おしゃれラブコメとして観てたし「あ〜トムかわいそうwでもサマーめちゃめちゃかわいいな〜ああいう小悪魔ぽい子好きな人っているよね、わたしはなれないけどw」ってサマーにちょっと捻くれた羨望の眼差しを向けたりしていた。

でも、今回は違った。トムはサマーの言うことをなんにも聞いてなくて、自分の理想だけを押し付けて、もうとにかくぜんぜんわかってなかった。サマーのうんざりした表情、結婚を決めてからの満たされた表情、どっちもすごくよくわかった。愛なんて信じてないとは言わないけど、少なくとも、そうやって自分を理解しようとしてくれない人の見せる思いや言葉を、愛とは呼べない。

「この物語は、恋愛物語ではなく愛についての物語である」と冒頭でナレーションがあるけど、この言葉の意味するところがやっとわかった。時間を空けて観ると感想が変わるというのは、やっぱり楽しいなあ。
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