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(500)日のサマーのKZYのレビュー・感想・評価

(500)日のサマー(2009年製作の映画)
4.4
「クソ女め。」

グリーティングカードの制作会社で働いているトムはいつか運命の人が現れると信じていた。ある日、新入社員として入社してきたサマーに一目惚れしてしまう。好きな音楽をきっかけに彼女との仲を縮めたトムは、サマーと何度もデートを重ねるが、彼女から「真剣に付き合う気はないの」と言われてしまう。
サマーの言動に困惑させられるトムだが、はたしてサマーと幸せになることはできるのか。

作品全体を通して、映像表現が素敵やった。まず、日付を表示するときの町の絵がトムの心情とマッチしていたところ。前半はキラキラ、後半曇り空に、そして最後はまた明るくなるのがすげえいい。次は、久々にサマーと会ったときの、理想と現実の対比。最後は、サマーとの終わりを確信し、立ち尽くしているときの町が色を失い消えていく表現。
映像表現が面白いだけに、見ていて飽きなかった。

ストーリーに関しては、運命の恋があると信じてやまないピュアっピュアなトムに「なんやこいつクサッ」って思ってたのも束の間。サマーの美貌と、こんなん誰でも勘違いしちゃうやんってレベルの思わせぶりな態度に見てるこっちもドキドキしてしまってトムの気持ちに感情移入しまくった。
友達に「こいつ惚れてるぜ」って言われちゃった後に、「私のこと好き?」「友達として?」「友達としてだけ?」とか聞かれたら惚れてまうやろおおおお。あざとい。あざとすぎる。
幸せな時期もすぐに過ぎ、サマーの態度がどんどんよそよそしくなっていく。あの別れ際特有のすれ違い感がリアルすぎて思い出すだけで辛いです。はい。
最後の最後まで自由なサマーに振り回されて残酷な言葉を吐かれて捨てられるトムが可哀想というか感情移入しすぎて、もはや自分ごと。

最後に心に響いた名言を置いて終わります。

「サマーは運命の人だと思ってる?違うよ
兄貴は楽しいことだけを思い出してる。今度思い出す時は、よく考えた方がいい」

「1年のうちほとんどの日々は平凡に過ぎる。始まっては終わり記憶に残るような出来事は起きない。ほとんどの日々は人生に何の影響も与えない5月23日は水曜日だった。トムは学んだのだ。偉大なる宇宙の意思を些細な日常のレベルで考えては行けないと。偶然、それが全てなのだ。ただの偶然に過ぎない。トムは学んだのだ。奇跡などないと。運命なんてものはない。巡り合わせなどない。」