このレビューはネタバレを含みます
ストーリーは比較的単純だけれど、とても凝った映画で演出が素敵な作品。どのシーンも綺麗で見応えがありました。
うまくいっていた日々と、噛み合わない日々を行ったり来たりする構成と、それに合わせたカメラワークが印象的で良かったです。
音楽、効果音も多用されていて、主人公のトムが浮かれ気分で踊りだすシーンはちょっとしたミュージカルやディズニー映画を見ているかのようでした(ジョセフのハンサムな顔立ちもディズニーヒーローみたいで…)
登場人物の独白ではなく、ナレーションを作中にも使う作品はあまり見てこなかったので新鮮でしたが、その前後で雰囲気が変わる予感にドキドキもしました。
台詞にも遊び心があって、軽快な掛け合いはそれだけに、この二人は『友達』なのかと少し切なく。
ラストシーンでトムがサマーの台詞を口にした時、なんとも言えない気持ちになりましたが、季節はきちんと次に進んだようで良かったです。とても晴れやかな終わり方。
しかし、オータムに声をかけたのはトムがどうしても運命的なものに惹かれてしまうからでしょうか? 考え方が変わったサマーと変わらないトムという対比があるとすれば面白い、なんてことを最後に考えさせられました。